地価公示鑑定評価書の用語等の説明

 

【制度関係】

Q:地価公示とは

A:国土交通省の土地鑑定委員会が標準的な地点(標準地)を選んで、2名の鑑定評価員(不動産鑑定士)の鑑定評価をもとに、毎年1月1日時点の1屬△燭蠅寮犠錣焚然覆鯣縦蠅係示するものです。

一般的な土地取引の指標や公共事業用地の取得価格算定の規準とされ、適正な価格の形成に寄与することを目的としています。

 

Q:地価公示価格とは

A:売り手・買い手双方に売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情がない取引で成立すると認められる価格(正常価格)であり、使用、収益を制限する権利がない更地(土地のみ)の価格です。

なお、公的評価の根幹を担う地価公示価格の検討では、価格精度と説明責任の向上を担保するために、分科会活動を通じて、複数の不動産鑑定士による多角的な価格検討をおこなっています。当該分科会活動での議論を踏まえた、2名の評価員(不動産鑑定士)による鑑定評価額を基にして、土地鑑定委員会で地価公示価格を決定しています。

 

Q:都道府県地価調査とは

A:国土利用計画法施行令第9条にもとづき、都道府県での土地取引規制に際しての価格審査や地方公共団体等による買収価格の算定の規準とすること等を目的として、都道府県知事が毎年7月1日における標準価格を判定し公表するものです。

また、都道府県地価調査は、国土交通省で実施している地価公示と相互に補完関係にあり一部共通地点とすることにより、半年毎の地価動向を示しています。

 

Q:相続税評価(相続税路線価)とは

A:相続税及び贈与税課税のための評価です。

実施機関:国税庁・国税局長

価格時点:毎年1月1日時点(7月1日発表)

評価水準:平成4年分の評価から公示価格の水準の8割程度とされています。

詳しくは→路線価図等の閲覧コーナー(財産評価基準書) (国税庁HP)

 

Q:固定資産税評価(固定資産税路線価)とは

A:固定資産税課税のための評価です。

実施機関:総務省・市町村長

価格時点:1月1日時点(3年に1度評価替)

評価水準:平成6年度評価替から公示価格の7割を目途にしています。

詳しくは→総務省HP

 

 

【用語の説明】

Q:標準地とは

A:地価公示において価格を公示する地点のことを意味し、土地鑑定委員会が自然的および社会的条件から見て類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる土地を選定しています。

 

Q:標準地番号とは

A:地域名と用途別に連番数字を付して標準地を示します。

  −1、−2・・・・・住宅地(主として居住用の用途に供される土地)

 3−1、3−2・・・・宅地見込地(宅地地域に転換しつつある地域にある土地)

 5−1、5−2・・・・商業地(主として商業活動の用途に供される土地)

 7−1、7−2・・・・準工業地(準工業地域にある居住用若しくは商業地の建物又は工業等の敷地の用に供されている土地)

 9−1、9−2・・・・工業地(主として工業生産活動等の用途に供される土地)

 10−1、10−2・・・調整区域内宅地(市街化調整区域内において、居住用又は商業用の建物の敷地として利用されている土地)

 13−1、13−2・・・現況林地(市街化調整区域内における用途の転換の可能性をもつ林地)

 ※7−1等(準工業地)と10−1等(調整区域内宅地)は、平成24年地価公示まで、3−1等(宅地見込地)と13−1等(現況林地)は、平成25年地価公示まで採用していた用途区分です。

 

Q:地番及び住居表示とは

A:地番は、法務局の土地登記簿等に記載されている地番のことを言います。

住居表示は、市街地において住所若しくは居所又は事務所、事業所その他これらに類する施設の所在する場所(これらを住居といいます。)をわかりやすく表示するために設けられた制度です。

 

Q:路線価及び倍率とは

A:国税庁で決めている相続税路線価のことで、路線価方式は、市街地的形態を形成する地域にある宅地を評価する場合の評価方式で、倍率方式は、その他の地域(国税庁が決定)などでの評価方式です。なお、路線価又は路線価倍率が付されていない地域の場合は、評価方法(個別、比準等)を倍率種別の欄に記載しています。

 

Q:法令等の規制等

A:法令等の規制に記載されている内容は、都市計画法に基づく用途地域や建築基準法の制限を記載しています。また( )内に、指定建ぺい率、指定容積率を順に記載しています。(その他)には、上記以外の対象標準地の価格形成要因に影響を及ぼす主要な法令上の規制を記載し( )内に、基準建ぺい率、基準容積率の順に記載しています。

 

Q:指定建ぺい率・指定容積率とは

A:市町村等が都市計画により定める、当該地域で建築できる建物の建ぺい率・容積率を言います。

 

Q:基準建ぺい率・基準容積率とは

A:基準容積率は、建築基準法第52条第2項、第7項及び第9項の規定による容積率。具体的には、上記の指定容積率を、前面道路の幅員による容積率制限(幅員が最大の前面道路でも12m未満である場合において、その道路幅員に住居系用途地域では4/10、その他の用途地域では6/10を乗じて算出される制限)による容積率や特定道路までの距離による緩和による容積率、及び敷地が2以上の容積率の制限の異なる地域にまたがる場合における、各々の敷地部分の制限による加重平均によって算出される容積率のことです。

また、特定街区など法令等により認められる使用可能な上限容積率又は総合設計などの割増後容積率(基準容積率+割増容積率)> 指定容積率の場合は、最有効使用の用途に関連ある法令等の上限容積率を適用の有無を問わず記載しています。なお、総合設計制度の活用している場合においても、評価上適用した同制度の上限容積率を記載しています。

基準建ぺい率は、建築基準法第53条の規定による建ぺい率。具体的には、防火地域(耐火建築物に限る)や角地等により緩和される建ぺい率、及び敷地が2以上の建ぺい率の制限の異なる土地にまたがる場合における、各々の敷地部分の制限による加重平均によって算出される建ぺい率のことてす。

なお、法令等により認められる使用可能な上限容積率又は割増後容積率に対する建ぺい率と基準建ぺい率が異なるときは、後者を記載しています。

 

Q:防火地域、準防火地域とは

A:市街地における火災の危険を防除するために定める地域で、建築物を耐火建築物・準耐火建築物・その他の建築物に区分し、防火のための建築物の階数と規模に応じて制限が加えられます。

 

Q:風致地区

A:都市における自然の風致を維持するために定める地区で、建築物の建築、住宅の造成、木竹の伐採等の行為が、政令で定める基準に従い、都道府県(一定規模以下は市町村)の条例で制限されます。

 

Q:地区計画制度等とは

A:地区計画制度は、既存の他の都市計画を前提に、ある一定のまとまりを持った一体的な町づくりを行う必要がある地区を対象に、その地区の実情にあったよりきめ細かい規制を行うことを内容とした都市計画の制度です。

 

Q:近隣地域とは

A:土地の用途が同質と認められるまとまりのある地域であり、道路、鉄道、河川等の地理的条件、土地の利用状況、都市計画法上の地域区分等に着目して区分した地域です。

 

Q:標準的使用とは

A:標準地の属する近隣地域で一般的な不動産の使用方法を言います。

 

Q:低層住宅等の高さの判断目安について

A:高層(7階以上)、中層(6階〜3階)、低層(3階〜1階)を目安として記載しています。

なお、複数の階層の建物が混在する地域の場合は、中高層又は中低層と記載しています。

 

Q:最有効使用の判定とは

A:不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(最有効使用)を前提として把握される価格を標準としています。最有効使用は、現実の社会情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用に基づくものです。

 

Q:対象標準地の個別的要因

A対象標準地の属する近隣地域の標準的な画地と比べた場合の、対象標準地の個別格差のことを言います。

 

Q:取引事例比較法とは

A:多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に対して必要に応じた補修正等を行い、求められた価格を比較考量し、対象不動産の試算価格を求める手法をいいます。

取引価格で求めた価格を比準価格と言います。

 

Q:収益還元法とは

A:対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより、対象不動産の試算価格を求める手法をいいます。

収益還元法で求めた価格を収益価格と言います。

なお、標準地の属する近隣地域が賃貸市場が成り立たない郊外の住宅地域等では、収益還元法を適用しない場合もあります。

 

Q:原価法とは

A:価格時点における対象不動産の再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法をいいます。

原価法で求めた価格を積算価格と言います。

なお、既成市街地では、一般に原価法を行う場合に重要となる、新規造成に係る再調達減価の把握が困難なため、原価法は適用していません。

 

Q:開発法とは

A:対象地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい場合等で、対象地の価格を求めるに当たって、対象地にマンション分譲等の開発を行うことを想定して土地価格を求める手法をいいます。開発法により求めた価格を開発法による価格と言います。

なお、原則として開発法は、標準地の最有効使用が分譲マンション用地の場合に採用しています。

 

Q:同一需給圏とは

A:個々の不動産の用途、規模、品等等の類似性に基づき、対象標準地と代替競争等の関係にある取引事例の存する圏域を言います。

 

Q:前年公示価格等からの検討とは

A:用途ごとに価格牽連性があると認められる一定数の標準地を地域的なまとまりを勘案してまとめた標準地群のうちから、できる限り標準地相互の比較を容易に行うものとして選定された標準地(以下「代表標準地」という。)と比較し検討を行い、これにより得た価格を規準価格と言います。なお、一部の代表標準地は、都道府県が実施する地価調査と共通地点となります。

 また、変動率は、前年から継続している場合に表示され、地価調査と共通地点の場合は半年間(7月1日から)の変動率を表します。ただし、当該標準地が当該年に新設又は場所が変更となった場合は空欄となっております。

 

Q:前年公示価格からの検討における標準化補正とは

A:対象標準地の個別的要因を反映させたものを、対象標準地の個別格差と言いますが、代表標準地の個別格差を反映した補正を、標準化補正と言います。当該個別格差及び標準化補正は、各条件ごとの格差率(増減価率)に基づく補正率の相乗積を、小数点第2位を四捨五入して求めます。

 

各条件の格差率による補正率          の相乗積

 

           

 

Q:前年公示価格からの検討における地域要因の比較とは

A標準地の属する近隣地域と代表標準地の属する類似地域との比較を行って、両地域の優劣を比較し修正することを言います。当該、地域格差の計算は、各条件の格差率に基づく修正率の相乗積を、小数点第2位を四捨五入して求めます。

 

各条件の格差率による修正率          の相乗積 

 

                              

 

Q:A評価員とB評価員の鑑定評価額が違うのはなぜか

A:地価公示では、公示価格の精度を高めるために、分科会活動での価格検討議論を踏まえた上で、公示地点毎に2名による鑑定評価方法を採用しています。国家資格を有する2名の不動産鑑定士には専門的な見地から独自の鑑定評価をお願いしており、鑑定評価額は必ずしも同一とは限りません。なお、最終的な地価公示価格は、土地鑑定委員会が2名の鑑定評価額をもとにして決定しています。